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2019年PBPパリ・ブレスト・パリは前日の車検日が雨に降られたが、8月19日スタートしてV組ゴール15時まで雨らしい雨は降らなかった。
途中、何回か通り雨に合ったが、日中の5分くらいでDNFに追い込まれるような雨はほとんどなかったと考える。4晩にわたってもとてもきれいな星空であった。
そんな天候に恵まれた今回のPBPではあったがフタを開けてみてどうかと言うと・・・予想以上にリタイヤ・DNFが多かったのではないだろうか。
ツイッターの阿鼻叫喚を追っていた方は、その現状をまざまざと見ていたのでは?そしてオレ自身も知っている方がブレストで終了、ルデアックで散る・・・など散見し他人事ではないという感情もあった。
そんなはずではない・・・しかし、ここはアウェイ。やっぱり海外ブルベなのだ。気がつくと窮地に追い込まれている・・・そのような「たら・れば」の無念を掘り起こしてみよう。
この記事の目次
あっという間に時間がなくなる・タイムアウトになる
はじめての海外ブルベ、初めてのPBPを今回トライした方は・・・たぶん、この「あっという間に時間がなくなる・過ぎていく」ということを経験したのではないだろうか。
そう、コントロールに到着をして・・・何をしたわけではないのにあっという間に1時間経過・・・日本のブルベでは考えられない時間の過ぎ方だ。
なんでこんなにも時間が早く過ぎてしまうのだろう。いくつも理由がある。それは・・・
コントロールがでかすぎる
PBPの各コントロールはとにかくでかすぎる。当たり前だが、エントリー数7000台弱のバイクとライダーが走っているのだから。
もちろん、全数がそこに揃うことはないが、この台数が走るイベントだ。各コントロールはそれなりのキャパを持っている。
そうなると、駐輪場からブルベカードチェックコントロール、トイレ、レストラン、シャワー、ベッドなど・・・すべての施設が遠い。
なので、バイクを止めてコントロールにチェックをもらい、トイレに行ってレストランの列に並ぶ時点でヘタすると30分くらいたっていることもある。
そこからレストランの列に並び食事をして一息すると1時間経過は、まぁ、いたし方ないだろう。その後トイレ行ってヘルメットかぶってバイクリスタートするまで1時間20分はザラかもしれない。
なので、このような海外ブルベにおけるコントロールでの振る舞いはかなり気をつける必要がある。たとえば・・・
あれ?バイクドコ止めたっけ??
数千台のバイクが止めてある駐輪場に、ボケた頭でやってきて、そのまま空いたスペースに無造作にバイクをおいて・・・フラフラとコントロールに流れるまま行ってしまう。
そうすると・・・「あれ?バイクドコ止めたっけ??」となる。
あなたも1回は自分の止めたバイクの位置を見失うことはなかっただろうか。
なので、オレはバイクが簡単に移動できそうなところでは、施錠をする。またバイクを止めた場所がわかるように列番号やわかりやすいランドマークなどをスマホで撮影をしておいた。
往路は絶対にレストランに並ばない
レストランの列に並ぶという行為は時間のムダ以外ない。なのでオレは徹底的に往路に関してはレストランに行かなかった。
すべてサンドウィッチ、もしくはアルファー米とした。買うのはバーですぐ手に入るパン類とドリンクだけ。すぐ食べて(できれば仮眠して)すぐリスタートした。
PBP観光という観点からみれば、各レストランがどのような食事を提供しているかは、オレもホント興味津々であった。
しかし、あの列に並ぶと15分はムダにしてしまう。さらにトレイにたくさん食事をとってしまうのですよ。メインはもちろん、パン、スープやサラダ、ドリンク、デザートって。
それらのフルコースを、このコントロールで食べる必要があるのだろうか?そのフルコースをしっかり食べたら30分は余裕でかかるよな?
なので、往路に関してオレは絶対にレストランには行かなかった。レストランへ行くなら睡眠に当てる。これを徹底した。
さらに言えば、結局レストランを使ったのはゴールまで残り45kmとなった、めっちゃ空いてた最終コントロールの「DREUX」のみである。
次のコントロールで間に合えば大丈夫(という慢心)
いろいろなところで言われているのだが、コントロールでタイムアウトになっても、次のコントロールに間に合えば大丈夫ってやつ。
そりゃそうなのかもしれないが、一回アウトになると・・・なし崩しになってしまうのですよ。少なくともオレは。
なので、絶対にすべてのコントロールでタイムアウトになることは避けた。
かなり時間管理をしたつもりだ。ルデアックに関しても、必ずカットオフ前には起床をしてリスタートすることを心がけた。
そもそも、カットオフにかかって次のコントロールで取り返せる脚があるなら、最初からタイム・アウトしないって。
結局時間管理ができていない
このように見ていくと、あっという間に時間がなくなるのではなく、時間管理ができていないということ。
コントロールでの食事の時間を節約したくて手前のカフェに寄ったはいいけど・・・長居してしまったでは本末転倒。
特に初海外旅行がPBPという方は、見るもの聞くもの、全てが興味津々であったと思う。
しかし、我々は海外旅行に来たのではない。PBP完走をしにきたのだ。それが最優先であれば、PBP観光は完走した次回に回し、徹底的に完走するための時間の使い方をするべきだ。
PBP完走しにきたんでしょ?SNSは後にしな
熱心にSNSでPBP近況報告を流していた方も多いと思う。それ時間のムダです。
そんなのツイートするヒマあったら仮眠に当てる。そんなのフェイスブックに投稿する時間あったら前に進む。
PBPに集中をしないでSNSやる意味がわからん。
PBP中にどんだけツイートしたか勘定して、どんだけ時間を使ったか要チェックな。
なんだか眠い・いつも睡魔に襲われる
オレは今回のPBP、本当に眠かった。初日スタート夜から眠かった。その眠さはほぼ全行程に渡っていた。
なので、ほぼすべてのコントロールで15分ほどの仮眠を取りながら進んだほどだ。さらには路肩や私設エイドなどでも、チャンスが有れば仮眠をした。
オレを含め走力が今一歩のライダーは、間違いなく深夜・早朝の走りを強いられる。疲れている上に、寒く、また眠い深夜早朝のライドは居眠り落車の危険がいつもある。
居眠り落車したら即DNF。さらにもしかしたら無事では済まないかもしれないという危険がつきまとうので、とにかく眠ければ仮眠するを徹底した。
とにかく仮眠・睡眠優先。というわけでルデアックのディナーは2晩とも無かった(キューピーコーワドリンクのみ)。
ブレストがゴールになってしまう
このPBPのルートは行って来いというのが一つのポイントになっていて、その中で折り返しのブレストが・・・いつしか「自分のゴール」になってしまった方も多いのではないだろうか。
演出的にも気持ち的にもブレストってゴールっぽい。その手前にPBP最高峰の丘もあり、ダウンヒルで海に向かっていく感じもゴールっぽい。
なので、ボロボロの状態の人は、けっこうブレストで燃え尽きるという感じになってしまうかもしれない。
さらに言えば、PBPルート上「ブレスト」が一番パリに帰りやすいのもポイントかも知れない。
自分の中で弱い自分が知らないうちにブレストをゴールにしてしまったのかもしれない。
いつしか日本の常識を持ち込んでいる
日本のブルベは環境に恵まれすぎている。どこを走っていても1時間走ればコンビニがある環境など日本だけだ。
その常識がいつしか染み付いてしまい、頭ではわかっているけど、体はついていかない。あれ?街がない・・・マジ?店がない・・・
またフランスの乾いた空気の気候。真夏というのに日が暮れると気温がジェットコースターのように急降下する。こんなコト日本では経験したことがない。
ちょっとウィンドブレーカー着ることを面倒がるだけで、一気に体が冷える。日中の寒暖差は思っていた以上に体に堪えたと思う。これも日本の常識にはない。
長年住んでいた日本の常識を捨てるのは難しい。なので頭ではわかっていても、疲れてくるとその乖離を修正できなくなっている。
気がついた時は・・・「こんなはずじゃなかったのに」・・・となるわけだ。
信号がないのは実は大変
ランブイエをスタートして折返しブレストまで、本当に信号がなかった。ホント数えるほど。信号がないということは、意志がないとバイクを止めることはできない。
これが案外とストレスになる。信号なく走り続けることはできるけど、コントロール間が大体80km程度はある。時間にしてヘタすると5時間。
疲れた体でこの距離をノンストップで走るのはオレは無理。
なので、適当なところで意思を持ってバイクを止めることができたかは以外に重要。
完走率の低い仲間と走らない
えっと、言い方悪くてスマン。ただホントの話。完走率が悪い仲間と走ると完走できない。前に行く意志のあるヤツと走るべき。
脚が合わないなら、さっさと一人になるべき。足引っ張っているなら、さっさと離脱するべき。(夫婦の方やチームは別ね)
一番の目的はPBP完走をすること。モンサンミッシェルにサイクリングしに来たワケではない。
あーー、もーダメかなーー・・・そんなコトつぶやいているヤツが近くにいたら、さっさと見切りをつけて切り離すべきよ。
ここはアウェイ・海外ブルベなのだ
よくも悪くもPBPは海外ブルベ。お祭りと言っているけど、その道程はかなり過酷でしっかりとキビしい。
お祭りは応援している人や私設エイドや沿道の方々だけで、ウチラはお祭りではない。さらに言えば日本のブルベとは違うことも認識するべき。
大荷物をかついだ飛行機遠征に始まり、慣れない常識や、いろいろな工程を踏んでやっとこスタートラインにたった時、自分では気が付かないほど疲れているはず。
スタート前にパリ観光など愚の骨頂。絶対に体を休め、できるだけ時差を取ってあげることに集中するべき。
楽しく来るのは否定しないし、楽しめないとイヤだからな。でもそこには気の引き締まった楽しさが必要よね。
日本の1000km完走できた程度ではPBPのハードルはかなり高いつーわけ。
もう10回以上海外ブルベを走っているオレでも、海外はアウェイ。日本の常識はきっぱり捨てるということを呪文のように唱えている。
それでもギリギリなんだから・・・なかなか海外ブルベは甘くないというコト。
まとめ
PBPに限らず海外ブルベは4年に1回というものが多い。なので一つ一つを無駄にできない。
しかしアウェイの海外ブルベは本当にDNFになりそうなポイントが山積している。言葉の壁もその一つかもしれない。
今回のPBPにおいて約400人もの日本の方がそのスタートラインに立った。後で聞くと、ちょっとDNFもかなりの数に上ったとのことだ。
オレも今回PBP走って・・・えっ?PBPってこんなキビしかったけ??マジで思ったよ。
それだけに仮眠と時間管理はある程度怠りなく進めたつもりだ。
また4年後にPBPにトライする予定だが、なんとか自分の気持ちに対して・・・落ちる体力、辛抱効かない気力との乖離を埋める対策を今から立てようと思っているw
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